女性建築士のティータイムコラム|“ながら時間”の中に、心地よさをつくる

女性建築士のティータイムコラム|“ながら時間”の中に、心地よさをつくる

女性建築家のティータイムコラム

キッチンに立ちながら、
フライパンをゆっくりと動かす。

隣では、子どもが何かを話しかけてくる。
その声に「うんうん」と返事をしながら、
手は止めずに料理を続ける。

気がつけば、
一日の中でいちばん長くいる場所が、
このキッチンかもしれません。

子育て中の毎日は、
ほとんどが“ながら時間”でできています。

料理をしながら、
洗濯をしながら、
子どもの様子を見ながら。
ひとつのことに集中する時間は、
思っているよりずっと少ない。

だからこそ、
その“ながらの時間”が心地よいかどうかで、
暮らしの質は大きく変わります。

動きやすいかどうか。
手が届きやすいかどうか。
子どもの気配を感じられるかどうか。

そしてもうひとつ大切なのが、
「気持ちが少しゆるむ瞬間があるかどうか」です。

窓から光が入る。
外の景色がふと目に入る。
お気に入りの道具が手元にある。

ほんの少し立ち止まって、
深呼吸ができるような瞬間。

そんな小さなことが、
忙しさの中に、ほんの少しの余白をつくります。

例えば、キッチンの前に小さな窓を設けること。
立ったままでも外を感じられるようにすること。
手に触れるものを、少しだけ好きなものにすること。

家づくりは、
特別な時間をつくることだけではなく、
毎日の“当たり前の時間”を、
少しだけやさしくすることでもあるのだと思います。

忙しい毎日だからこそ、
無理をしなくても心地よくいられる場所を。

それが、暮らしを整えるということなのかもしれません。

暮らしの中にある、小さな気づき。

家づくりのこと、日々のこと、女性としての生き方のこと。
女性建築士の視点で綴る“暮らしのヒント”をお届けしています。

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