Column
家づくりコラム
女性建築士のティータイムコラム|子どもと一緒にいながら、心はひとりごと
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女性建築家のティータイムコラム
同じ空間で別々のことを楽しめる“共存距離”のデザイン。
子どもと同じ空間にいながら、自分の時間も大切にしたい。
それは、決してわがままでも贅沢でもありません。むしろ、忙しい日々の中で母が自分らしさを保つために、必要な距離なのだと思います。
それを私は「共存距離」と呼んでいます。

“離れすぎず、近すぎない”心地よい距離。
子どもは安心して遊べて、母は自分のやりたいことに意識を向けられる。お互いの存在を感じながらも、干渉しすぎずに過ごせる距離です。
例えば、リビングの一角にある小さなスタディカウンター。
子どもはブロック遊びやお絵描きを楽しみ、母はパソコンを開いて少しだけ仕事をしたり、スケジュールを書き込んだりする。お互いの気配が、やさしい落ち着きとして空間に満ちていきます。

キッチンに立ちながら見守れる「ゆるくつながる視線」も、共存距離の一つ。
目が合えば微笑みあい、集中している時はそっとしておく。親子の関係にも、こうした“ちょうどいい距離”があるのだと感じます。
家はただ生活する場ではなく、母の心を整え、子どもの自立心を育てる場でもあります。同じ空間で別々のことを楽しめる設計は、お互いをやさしく尊重しながら豊かな日常をつくります。
「ずっと一緒にいたい。でも、自分の時間もほしい」
そのどちらも叶える住まいづくりを、これからも大切にしていきたいと思います。