Column
家づくりコラム
女性建築家のティータイムコラム|北向きの土地の良さを実感
Category:
女性建築家のティータイムコラム
今月のティータイムコラムは、「住まいの向き」についてお話ししたいと思います。
日本では昔から、「南向き」や「東向き」の土地が良いと言われてきました。
ですが、気候やライフスタイルの変化を考えると、「北向き」も悪くないどころか、むしろいいかもしれないと個人的に感じるようになってきました。

というのも、日本の夏はとにかく暑くなってきて、断熱性の高い家を建てても、直射日光が入るとどうしても部屋が暑くなってしまうからです。特に南向きや東向きの窓は、冬には心地よい日差しを取り入れることができますが、夏は朝の4時半ごろから強い日差しが差し込み、暑さとの戦いが始まります。
多くの方が「北向きの部屋は暗い」と感じるかもしれませんが、それは北側に十分な窓を設けないからなのです。実は、北向きでも大きな窓を設ければ、夏の直射日光を避けつつ、十分な明るさを確保できます。
私自身、実際に北向きの窓を持つ家に住んでいて、そのメリットを日々実感しています。

私は気候変動を意識し、夏の直射日光が入らないように工夫した設計を行っています。
その中で、軒のない家や日差しを防ぐ工夫のない家は、今後住環境が厳しくなっていくのではないかと感じるのです。
気候変動と共に、家のデザインや設計に対する考え方もどんどん進化しています。これから家を建てる方は、今までの「常識」にとらわれず、新しい発想で住まいをデザインしていきましょう。